ドロップス(紙ジャケット仕様)ポスト(ユーミン)という位置づけとしてデビューを果たした須藤薫。はじめから、アメリカンテーストの極上ポップスを多分日本で最初に表現し得たひと。図らずも、松任谷正隆が全面プロデュースしたのはなにも偶然ではない。バックに錚錚たるメンバーをひっさげて、他の同時代のポップス歌手とは一線を画する存在であった!手取り早く、彼女の音楽性に浸りたいなら「サマーホリデー」というベスト盤が出ているので、そちらをハジメに聴けばいいかも知れない。わたしの、あくまで個人的感覚では彼女の最盛期は、ファーストアルバムからこのドロップスまでであると感じている。特に、「アメイジング トイズ」から「プラネタリウム」そしてこの「ドロップス」までの一連のアルバムは必聴に値する!これ以後の作品は、趣がまるで違ってしまうので興味が薄れてしまう。平凡な作りに終始し、愛着がもてないのである。理由は色々あるだろうが......。さて、「ドロップス」である。全体的な構成もしっかりしているし、曲のバランスもいい!名実とも、最後の秀作といえる出来となっている。特に、(真夜中の主人公)や(日曜日のご趣味は?)なぞは大好きな曲である。あまり、(他の人に知らせたくないそんな名盤)とわたし自身内心では想っている。とはいえ、皆に聴いていただきたくもあるそんな複雑な感傷もあわせもっているから尚の事ややこしい。そんなアルバムである。「ドロップス」は....。