果てしない地平線へ自由に吹抜ける風と、柔らかに降り注ぐ光が交差する世界
小瀬村 晶(Akira Kosemura)によって導かれた、1つの到達点と新たな旅への幕開け
静かに物語の始まりを告げる表題曲 T-1「grassland」にはじまり、新機軸の躍動感溢れる四つ打ちに透明感溢れるthe misfor- tunes of geraldの歌声をフィーチャーした T-2「petrarca」、当真伊都子の暖かい歌声が光る T-3「light」、流麗なpaniyoloとme:moのギターが心地よい T-5「xiao ge er」、星空を思わせるような煌めくサウンドにapril leeの歌声が儚く美しい T-6「little dipper」、そしてharuka nakamuraとの待望の再コラボレーション T-8「over the horizon」など、そのイメージはあくまで暖かく、 明るい。合間には十八番の優しいピアノソロも挿入、オリジナルティ溢れるメロディは唯一無二のもの。そしてノスタルジッ クなエレピの音色をme:moのギターが追いかける T-9「just a few minutes」でひとつのハイライトを迎えた物語は、静かに終 幕へと導くピアノソロ T-10「amour」、シンフォニックな T-11「ensemble」へと続き、穏やかに幕を閉じる。
多くのゲストミュージシャンを迎え入れて制作された本作、これまでの作品が光と影、両方を持っていたとしたならば、今作は最も光に満ちあふれている。その濃い密度で紡がれた音楽は、これまでの集大成といえるだろう。一つの到達点を迎えた彼の今後に、大いに期待が高まる作品となった。