ギターにイマイアキノブ(元フリクション)、ドラムに佐藤稔を迎え、4人編成で復活をとげたROSSOの待望のフルアルバム。先行ダブルシングル「1000のタンバリン/アウトサイダー」ほか、全12曲を収録。
正直、復活の狼煙を上げたツイン・シングルでは、歓喜に満ちた祝祭が行われる「ここ」と、遠い空を埋め尽くす悲しみの砲火の炸裂が同じ時代にあることを示唆したような「1000のタンバリン」以外はさして新鮮じゃなかった。要はTMGE以上でもBJC以上でもないという“お門違いな当て外れ”からだったと思う。ROSSOはROSSOだ。
アルバムでは、愚直なまでに字面通り、ハードでサイケデリックなロックを正面切って鳴らしている。引き合いに出したくなるのはレッド・ツェッペリン的なファンクネスや、ピンク・フロイドやドアーズに通じる陶酔の中の一瞬の覚醒感。悲壮ではない。何か重い泥に足を取られたままロールしようとする現実のロックだ。(石角友香)