――倉島律は、収容施設の中、己の凶暴化を必死に抑えようとしていた。
が、その意思を裏切るように「魔の時刻」はやって来る。
夜になったその瞬間、理性を失った律は、施設内を次々に破壊し暴れ回るのであった。
五年前、日本政府が行った実験「RUNLIMIT」の被験体となった律は、
実験失敗の代償として、その身体に致命的な欠陥を負ってしまっていた。
夜になると、実験が与えた右脳・左脳への影響で理性を喪失し、
凶暴化する体質へと成り果ててしまったのだ。
18歳の彼に残されたタイムリミットは、あと僅か……。
そんなある日、律の前に新しい監察官が現れる。
それは律にとって、誰よりも大切な幼馴染の少女だった。
しかし彼女の脳内からは、律との思い出は消えてしまっている。
施設内では「最も危険な被験体」として扱われている律。
「俺はバケモンだ。お前も食われないうちにとっとと逃げるんだな」
彼女に対し、冷酷な態度で牽制する律であったが……。
この再会によって、実験の裏に隠された悲しき愛の物語が、ふたたび動きはじめる――
店舗特典