何故このアルバムに愛着があるのかと言うと、1stアルバム『CHEF'S SPECIAL』(1980年)、2ndアルバム『PARADISE TOUR』(1981年)、3rdアルバム『AMAZING TOYS』(1982年)での彼女の歌は、アメリカン・ポップスを基調とした明るくポップなナンバーが多く、聴いているだけで元気になれるようなものが多かったのですが、この『PLANETARIUM』では少し大人になった須藤 薫の歌を感じられるからです。それまで須藤 薫=夏のイメージだったものが、秋~冬に似合うような大人のアーティストになったという印象ですね。
プロデュースが松任谷 正隆、ディレクターが川端 薫。全11曲の10曲の作詞を田口 俊、作曲を杉 真理(1曲は田口 俊の作詞・作曲)のコンビが手掛けており、全曲のアレンジを松任谷 正隆(一部で杉 真理がコーラス・アレンジに加わっています)という須藤 薫にとってまさに鉄壁な布陣ですよね。
ライナー・ノーツによると、今回のアルバムでは極力英語のフレーズや当時流行っていた時柄を取り入れず、長い間聴かれ続けるアルバムを作ろうという意図があったようですね。松任谷のアレンジは、時代に左右されない素晴らしいセンスを持ったアレンジャーですから、時代に左右されない楽曲とアレンジが上手くマッチしてまとまりの良いアルバムに仕上がっているのも頷けます。