今回の作品制作、コラボのきっかけとなったのは、THE BOOMヴォーカル・宮沢和史が感じた“日本のこころ”。音楽活動を通して何度かブラジルに訪れた宮沢は、現地で多くの日系移民との出会いがあった。彼らは実にきれいな日本語で、“日本の歌”を歌い、“日本のこころ”を大切に次の世代へと受け継いでいた。
「自分達も、もっともっと日本を知らなくてはいけない」
そう思った宮沢は、自身が音楽活動を始める前、幼少期の頃に自分の周りにあり、自らの音楽的ルーツといえる音楽、すなわち、歌謡曲や演歌といった日本の歌に立ち返ることを決意。自分でも「日本のこころを歌いたい!」という思いから、今回の制作がスタートした。
石川さゆりへの正式なコラボレーションのオファーは2010年の夏頃。宮沢が思う日本歌謡界のトップランナーのひとりであり、また、彼自身もそれまでにコンサートの中で石川の代表曲「津軽海峡冬景色」をカヴァーしていたというのもオファーした理由として大きいだろう。
一方で、宮沢には大きなプレッシャーものしかかった。憧れのアーティストであり、大先輩との共演作品。宮沢は曲を作る際に、石川さゆりが承諾してくださるような高いクオリティーの楽曲でなくてはならないと強く思い、そんな中でできあがったのが、「暁月夜~あかつきづくよ~」だった。
「曲の感じとしては、私のいつも歌っている世界とはまたちょっと違うし、やはり宮沢さんならではの世界なのかなと思います。私もあまり、この音楽、この音楽というジャンルも垣根も考えないで、“素敵ね”って思えるものは自分の声をのっけてみたいというタイプの歌い手なので、とっても楽しみにスタジオにお邪魔しました。」── 石川さゆり
なお、2月15日より、THE BOOMのニューシングル「暁月夜~あかつきづくよ~ feat. 石川さゆり」の着うた(R)配信がレコチョクにてスタート。さらに3月30日には“日本のこころ”を唄ったTHE BOOM 13枚目のアルバム『よっちゃばれ』を発売する予定だ。このタイトルの「よっちゃばれ」は、宮沢の出身である山梨県の「寄ってきて、集まって」という方言。THE BOOMのテーマである日本の伝統文化や美意識、日本人であることの誇り、“日本のこころ”を表現したアルバムに仕上がっている。