21世紀に入ってからの、青春パンク、ブルーハーツ・チルドレン的なニューパンク・シーンへの賛否両論を彼らなりに本作で決着するだろう。どんな時代でも誰よりも速くギターをかきならし、誰よりデカい声で歌い、ライヴでは高く跳ばなきゃロックンロールなんて始まりゃしない。もちろん、音楽的理論武装するのもアリだ。でも彼らはもともとの資質が、ポップなのだろう。ほかのどんな歌謡的な曲や路上の弾き語りパフォーマーより、はっきり聴き取れるこの歌の強さを前にして、脆弱(ぜいじゃく)な表現はまず闘うフィールドを同じくはできない。誰にもできそうで実はすごく高い意志と完成度。堺正章の「さらば恋人」のカヴァーにはガガガSPのコザックも参加。(石角友香)