デビュー25周年にリリースしたベスト盤。というより、浜省いわく「ベストの選曲ではなく、歴史をたどるうえでのポイントとなる選曲」というヒストリー盤。彼の原点となっている、72年に町支寛二らと結成したバンド「愛奴」時代のナンバーをはじめ、路地裏からメインストリートへ。さらに遥か彼方の青空を求めて疾走するロックミュージシャンの生きざまと、リアルなまなざしを感じることができる。
その時代の空気をストレートに反映させたメッセージ性のあるロックナンバーは気持ちを奮い立たせ、切ないまでに愛があふれる珠玉のラブソングに心が震える! 浜省の人間的な深みが作品ににじんでいる。(海老原澄画)