流麗なアルペジオを奏でるギター、バンドの屋台骨となっているベース、爆撃機のようなドラムという、アクの強過ぎる3人のプレイヤーによる、ポスト・ハードコアもマスロックもプログレも飲み込んだ圧巻のアンサンブル、透明感のある歌声とエモーショナルな絶叫のスリリングな交錯は、まさに「People In The Box」や「cinema staff」に続く、「正統残響」という呼び名が相応しい。さらに、「解り合えないし、そもそも向き合えない」という残酷なまでの現状認識を、しかしファンタジックに描き出した歌詞の世界観も特筆すべきで、【ネガティヴ世代】とも言われる現代の若者の心をグッと捉えることだろう。
- 誰かのために生きてみたい、でも僕たちに明日はない - 誰もが内に秘めたそんな想いが、このアルバムには詰まっている。