ひりひりとしたダークなポスト・パンク的サウンドと、エクスペリメンタルな試みを取り入れた実験性が魅力のバンドだが、4作目となる今回はバンドとしての初期衝動を強く感じさせるハードコアな作品になった。冒頭の2曲からして各楽器がぶつかりあうような高いテンションで押しまくり、全体としてもバンド色の強いダイナミックなサウンドで、最後までピンと張った緊張感が持続している。それでいてポリリズムや変則拍子を取り入れたり、ジャズ的なアプローチがあったりと、実験精神も衰えていない。これまでの作品で独自の音を確立させたことで、今回はバンドとしてのダイナミズムや勢いを優先させたということだろう。あふれる自信を感じさせる意欲作。