リトル・クリーチャーズの青柳拓次、栗原務ら、9人の個性派アーティストによるDouble Famousのインストゥルメンタル・アルバム。踊るもよし、じっくり聴くもよし、あなたのお好みでどうぞ。
日本が誇る無国籍音楽放浪者楽団、Double Famousの4thアルバム。半年間の休業期間を置き、メンバー9人全員が自作曲を1曲ずつ持ち寄った本作は、かつてない楽曲のメリハリにあふれた、サウンドトラック的な1枚となった。各曲にそれぞれの個性が光るなか、特筆したいのはソロ・アーティスト/DJとしても活躍するトランペット・坂口修一郎作の(3)と、パーカッション・細窪洋介作の(10)。前者は3年以上前から構想され、ライヴでもヴァージョンを変えて演奏されてきた幻の一曲だが、地面を這いずるような重いギターとベースから、各パートの低音が連なっていくピークが非常にスリリング。(10)はラテンの哀愁と荒涼感を見事に切り取った、映像的なサウンドが素晴らしい。ワールド・ミュージックをいち早く導入した60年代のジャズ・フルーティスト、ハービー・マンの「Turkish Coffee」~「Lowrider」と、70年代のガーナ発ブラック・ファンクの傑作、Oscar Sulleyの「Bukom Mashie」のカヴァーも収録。