ときは幕末。京都・島原遊郭に男性客をとる遊女だけでなく、女性客をとる男花魁も抱え、この世の<極楽>を味わえるという評判の人気妓楼があった。選ばれた客しか入れない、その場所の名は華艶楼。 しかし、華艶楼には「死んだはずの人間と逢える」という不可思議な噂があり、いつしかこう呼ばれるようになった。 「華艶楼は<地獄>の入口である」と。
なんと、その噂は真実。 「華艶楼」では死期の近い人間を客として集めており、花魁たちは客に美しい現世の夢を見せながら交合し、魂の裁定を行って「定められた正しい死」へと送る地獄の官吏だったのだ。 あなたもまたそのひとり。 地獄から初めて現世に来て、花魁になったばかり。 初めての客をとってその魂の罪業をはかり、「正しい地獄」へ落とさなければならない。
その客の名前は「土方歳三」。泣く子も黙る新撰組の鬼副長……
≪登場人物≫
新撰組 鬼の副長 土方歳三 (声.保志総一朗)
「俺は、まだ死ねない。 まだ生きることを諦めるわけにはいかない」
維新志士たちからも隊士からも恐れられている新撰組の副長。
隊をまとめるため厳しい規律を敷き、容赦なく維新志士たちを取り締まっているため、
自分自身もろくな死に方はしないだろうと思っている。
一見、とっつきにくく怖そうに見えるが、実は面倒見が良く誠実な性格。