◆あらすじ
舞台は幕末、京都・島原遊郭。
そこは美しい遊女たちが艶を競う花園であると同時に、
たとえ幕府の役人であっても手だしが出来ぬ、小さな独立国でもあった。
島原には灯りに蛾が群れるように
夜な夜な様々な人々が集まってくる。
討幕を企む維新志士たち、
日々の憂さ晴らしに来る新撰組隊士たち、
そして自らの自由を取り戻そうとする女たち。
希望と絶望、情熱と虚無、生と死。
全てがまじりあい、訣別し、いくつも伝説が生まれた。
その中でも、高級遊郭『華艶楼』にはひときわ奇妙な噂がある。
『華艶楼とは、あの世の入り口である』
『そこは一度入ったら、死ぬまで戻ってこられない 快楽の迷宮』