この最後は、誰にも読めない。
街は「ヒト」で構成されている。
ヒトがいなければ、街は単なるオブジェクトの塊に過ぎない。
ヒトは、街に流れる───そう、血液なのだ。
だが、街を癌のように蝕む犯罪者(ヒト)もいる。
一見普通に見える、この街でも報道ではとても流せない様な、猟奇的な殺人事件が起こっている事を、貴女は知らない。
しかもそれを解決する特殊な任務を受け持つ警察庁から配置された特命課があることも───。
ノンキャリアで構成された、その特殊な犯罪事件の解決ばかりを受け持つ「第七特命課」は
警視庁の中でも「セメタリー(墓地)」と呼ばれる、いわば窓際族だった。
まさか、警視総監の愛娘である貴女が、そこに配属されるとは───。
交錯する陰謀、向けられた銃口、匂うは硝煙。
埋めるか、埋められるか、今、街を揺るがす事件に挑め。