ひとりで泣かせてばかりだったあの頃とは違う。
でも今度は君を違う意味で泣かせてあげたい……なんてね。
僕と彼女と弘暁の3人で思いがけず泊まった出張の日の夜、
僕は、愛しいからこそ厳しく接していたという子供くさい本音を彼女に全部打ち明けた。
そして彼女はそんな僕のすべてを受け入れてくれた――。
彼女が僕より弘暁と一緒にいる時間が長いのは癪だけど、
教育係で無くなった僕は、今度こそ彼女にとびきり優しくできるはずだ。
むかつく弘暁には、仕事中は見せないプライベートの彼女がどんなに可愛いのか教えてやればいい。
彼女に優しくしてあげたい、そう本心から思っているはずなのに
でもなぜか、彼女の困る顔が見たくなる。
困った顔をして、最後に笑って許してくれる彼女が愛おしくてたまらない。
でも彼女は本当に…そんな風に意地悪しかできない僕を愛してくれているんだろうか。
シナリオ:七原みさ
イラスト:とじょさか